貴重な経験談を活かす場所をつくりたい
(管理人:まーる)
無力さばかりを感じる日々
小児がんという病気は、一括りに小児がんといっても様々な病名が存在しています。また、同じ病名でも、年齢・発症時期・初発のステージ・再発の有無など同じ病状の子どもはいません。
そして治療には必ず副作用が伴います。これも同様に個人差があり、同じ化学療法でも症状は様々です。しかし、共有出来る情報は少なからずあると思っています。
たとえば、多くの化学療法に使用されるオンコビンという薬剤。我が子はこのオンコビンによって毎回腹痛を起こしました。医師からは便秘になりやすいと説明を受けていましたが、息子の場合は便秘が解消されても腹痛がありました。
治療を進めていくにあたり、我慢出来る程度の腹痛は「仕方ない」で済ませるしかありませんでした。目の前でうずくまって痛みに耐える息子に何も出来ない無力さばかりを感じる日々でした。
1通のコメントが導いた痛みからの開放
そんな時、私の闘病ブログに『湯たんぽで温めるといいですよ』とコメントをいただいたのです。同じ横紋筋肉腫ではなく、違う病名の、でもやはり小児がんのお子さんの親御さんからでした。
それ以降、湯たんぽは息子の『安心のお守り』になりました。オンコビンが入ると「ママ、湯たんぽお願い」と催促し、湯たんぽを抱えて小さく丸まり痛みに耐えながらも「あぁ、あったかくて気持ちいい」と顔が和らぐのです。わずかでもいい、辛い治療が少しでも辛くないように・・・と願ってきた私にとって、一言のコメントが救いとなりました。これはほんの一例です。
今、ネットで検索をすれば混乱するほどの情報に溢れています。調べるほどに苦しくなる情報もたくさんあるでしょう。それでも我が子の何かになればと必死で検索する日々。最も役立つ情報は『経験談』でした。そして何よりそこに書かれていた子どもたちのがんばりに大きな勇気を貰いました。
子どもたちの未来に繋がる情報共有
化学療法も外科手術も放射線治療も、子どもたちは耐えるしかありません。治療以外にも、吐き気がある中での服薬、入院時でのトラブル、外泊中の過ごし方、社会との関わり。どの親子にも必死で見つけ出した様々な工夫があります。その貴重な経験が埋もれてしまうなんてもったいない。
いつからかその貴重な情報が集まることで、今をがんばる子どもたちの力になるのではないかと思うようになりました。また、急性期の副作用だけではなく、治療後にはまた新しい晩期副作用と向き合っていかなければなりません。『治療が終わって良かったね』では終わらないのが小児がんという病気だと思います。
しかし、そこに悲嘆し続けるのではなく、みんなで情報を共有し、気持ちを分かち合い、子どもたちの未来へと繋げていきたい、そう願っています。
「困ったときはお互い様」の精神に助けられた命
(管理人:まさみつ)
実感するお互い様
次男が神経芽腫とわかりすぐに治療が始まりました。化学療法の後に骨髄抑制と言って血を作る力が抑制されます。当然血がなければ生きていけないわけで、輸血をします。献血を必要としている人がいることはこれまで頭の中では理解しているつもりでした。でも何にどう使われているのかまで恥ずかしながら考えたことがなかったのです。
献血してくれている人はもちろんボランティアの方、これまで生きてきてこんなにも赤の他人からの善意の気持ちを感じたことはありません。息子の命の恩人が何人もいらっしゃいます。その方たちは「困ったときはお互い様」と思ってくれているんだろうなということを痛感しました。
血液だけではありません。臍帯血移植や骨髄移植も同じです。また、その活動を支えているボランティアの人たちも同じです。お互い様の精神なのだと感じています。
ブログを通して感じるお互い様
輸血を通して感じたお互い様の精神から、私も何か人のためになることを残さなければという気持ちになりました。治療が始まって半年くらいはとにかく不安で精神状態が安定しませんでした。そんな時同じ小児がんの方々の書くブログが本当に助けになりました。
私が今感じていることや不安に思ったこと、失敗したことを書いておけば後々誰かのためになるだろうと思ってブログを始めました。でもブログを読んでいて感じるのは個別に発信することも大切だけれど情報がつながっていたらもっと便利でたくさんの人に使ってもらえるだろうと。
つなげるお誘い
そうやってブログを読んでいるうちにまーるさんとはなさんと知り合い、「手をつなごう。」へのお誘いを受けました。渡りに船。二つ返事で参加を決めました。
このコミュニティを通してできるだけ多くの方がつながり、お互い様を実感してもらえるようにサポートしていくつもりです。特に気軽にコメントできる雰囲気を作れるようにしていきたいと思っています。
コミュニティサイト構築~完成まで
(システム管理人:輝く子どもたち@はな)
同じこと考えてた!が繋がった
2018年5月、お友だちのアメブロ経由で仲良くなったまーるさんから、小児がんブロガーさんたちが発信している情報を集約できる場所を作りたいというメッセージをもらったのがきっかけで、私はコミュニティサイトを作り始めました。(当時の日記は「輝く子どもたち」へ)
私も息子が闘病中にまーるさんと同じように考えて、コミュニティサイト「小児がん みんなの闘病記」を作りました。主に小児がん治療中または治療を終えたお子さんがいらっしゃるご家族の交流の場として、「輝く子どもたち 小児がん・白血病」から掲示板の一部を引っ越ししてできたサイト。
家庭の事情で小児がんの活動から離れていた時期があり、古くなってしまったサイトをどうしようかと考えていた時にまーるさんから相談を受けたので、新しい仲間と新しいサイトを作るのも楽しそうだと思ったのです。
管理人3名体制でスタート
コミュニティサイトを作っていると友達に伝えたときに「男性の視点も必要になるのではないか」とアドバイスをもらい、まーるさんが繋げてくれたのが「まさみつさん」です。彼が加わったことで、新しい発想や視点で物事を捉えられるようになり、管理人3名でサイトの運営方法や内容など、個々の考えをしっかりと伝えて擦り合わせながら進めてきました。
情報を集約してわかりやすく発信する。ユーザーや訪問者が情報を投稿できるのは「掲示板」に限定し、シンプルな構造と機能・説明書を付けることで話はまとまり、このサイトの形が出来上がりました。
公開型で情報発信する理由
公開型の掲示板はリスクも伴いますが、それでもあえてそのように発信するのは、多くの方と情報共有し、医療に関わる方にも、一般の方にも知ってほしい情報があるからです。そして、たくさんの仲間をつなげていきたいから。皆さんからお寄せいただいた情報を丁寧に発信し、次の世代へ繋げていきます。
もし公開を望まれないようでしたら、非公開で情報共有しているサイトや親の会の掲示板などをご利用ください。ここよりもたくさんの情報を持っているはずですし、あなたが望む形の繋がり方ができると思いますよ。
ご登録・ご利用は無料です
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