特別児童扶養手当の申請・認定・受給状況(小児がんの場合)アンケート集計結果 報告書・108名の回答と55名の経験談

特別児童扶養手当とは、20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給される手当です。小児がんと診断されたお子さんも対象となりますが、「病気は障害ではない」と判断されて申請できないご家族もいらっしゃいます

認定されれば1級は月額5万円ほど、2級は3万円ほど支給されます。年1回の更新手続きがあり、その度に診断書の提出を求められます。

子どもの治療費は小児慢性特定疾病や、各自治体の医療費助成制度を利用できますので、特別な治療をしなければ大きな負担はありません。しかし、子どもは無菌室で治療を行うため、新しく買い揃えなければならない物はたくさんあります。きょうだいの託児や家族が離れて生活する費用、病院までの交通費なども大きな負担になります。

そして、家族の収入にも変化が表れます。保護者が24時間付き添わなければならなかったり、日中は病院で付き添ったりすると、仕事を辞めざるを得ない状況、または時短勤務になるなど、子どもが病気になる前に比べて収入は少なくなることもあります。

小児がんの子どもたちとご家族が利用できる制度があれば、その情報を届けたい。そして、気持ちにも時間にも余裕がない中で情報を受け取り、手続きに向けて準備をされたご家族の申し出を、病院スタッフ・役場の担当者の皆様には受理していただきたいと切に願います。

本アンケートでは特別児童扶養手当の申請・受給・不服申し立ての手続き経験談を募集し、小児がんのお子さんがいらっしゃるご両親 108名にご協力いただきました。

最後に設けた自由記入欄には回答者の49%が経験談を入れてくださり、そのほとんどが申請手続きに苦労した方です。今後、特別児童扶養手当の申請をされる際に「小児がんは対象ではない」と断られるようなことがあった場合に、このアンケート集計結果がお役に立てれば幸いです。

目次

アンケート概要

対 象 者
小児がんに罹患した経験のある子の両親。回答は、1家族1回に限る。
調 査 方 法
Webサイト、SNS、メール等で調査協力を依頼し、オンライン上のアンケートフォーム(Googleフォーム)で回答してもらうインターネット調査を実施。
実 施 期 間
2019年9月1日(日)~2019年9月30日(月) 1か月間
有 効 回 答 数
108件

アンケート結果のサマリー

特別児童扶養手当の受給の有無に関わらず申請手続きを行った方は全体の56%(61名)、その中ですぐに認定された方は85%(52名)、認定の有無は小児がんの種類によって大きな偏りはありませんでした。

申請しなかった理由として「この制度を知らなかった」「この制度を知っていたが該当しないと思った」と回答した方が67%(31名)と多く、支給要件・所得制限に引っかかり対象外となった方が8名、病院で診断書を作成してもらえなかったり役所で申請を断られたりして手続きしたくてもできなかった方が7名いらっしゃいました。

申請出来た方は、どこでこの制度を知ったのでしょうか。「病院スタッフ」が47%(29名)と目立ちました。他には、SNSやブログ、同じ病院にかかっている方等、患者家族から教えてもらった方が39%(24名)あり、経験者同士で行う情報共有が患者家族の手助けとなっていることが数値として表れました。

申請時期は入院中に手続きを行った方が74%(45名)、その中ですぐに認定されたのは87%(39名)、却下されたので不服申し立てをして認定された方が1名いらっしゃいました。退院後に申請しても認定される場合もあるようですが、認定日以前の分は給付されませんので手続きは早めに済ませたほうが良いでしょう。

小児がん診断後早期に手続きを行うためには、病院スタッフ・役所担当者にこの制度を周知していただくとともに、患者家族や当事者の会などで情報発信していただく必要があります。

今後の対応について

「小児がんは対象外」「障害が固定されてからでないと無理」と言われて必要な書類をもらえなかったり診断書を作成してもらえなかったりした場合は、本報告書の20p~21p「特別児童扶養手当に関する情報」を参考に小児がんでも診断後間もない時期でも申請できる根拠を示し、本報告書と合わせてご提示ください。

それでも断られる場合は、窓口担当者から都庁・道庁・府庁・県庁の特別児童扶養手当担当課に問い合わせをしてもらうと良いでしょう。

認定基準が自治体によって違うという情報もあるため、申請できても必ず認定されるとは限りません。却下された場合は不服申請を行うこともご検討ください。所得によって対象外となってしまった場合は、年度の切り替わる頃を見計らって申請することをお勧めします。

報告書をダウンロードする

アンケート集計結果・報告書は、下記よりダウンロード可能です。
特別児童扶養手当の申請・認定・受給状況(小児がんの場合)108名の回答と55名の経験談

回答者について

【1】お子さんの病名を教えてください

(1)お子さんの病名を教えてください/特別児童扶養手当・アンケート

(1)お子さんの病名を教えてください/特別児童扶養手当・アンケート

【2】特別児童扶養手当の申請をしましたか?

特別児童扶養手当の申請をしましたか?/特別児童扶養手当・アンケート

特別児童扶養手当の申請をしましたか?/特別児童扶養手当・アンケート

「特別児童扶養手当」と「障害児福祉手当」を同時申請

  • 子どもが白血病と診断されてすぐに「特別児童扶養手当」と「障害児福祉手当」の診断書作成を病棟の看護師長に依頼したところ、「白血病は障害ではないし、前例がないので通らないかもしれない。そうすると診断書料が無駄になる」と断られそうになったが、無駄になってもいいからと依頼した。
    結果は、「特別児童扶養手当」と「障害児福祉手当」両方とも受給できた。診断書は依頼後すぐに作成してもらえたこと、私は母からこの手当の話を聞いたが、母は役所の担当者から説明を受けて書類をもらってきたこともあり、申請から認定まではスムーズに進んだ。

必要としなかった

  • 自身のケースでは、特に闘病中もケモの合間は元気で外泊しており、家族の就労制限も無く小児慢性特定疾病の助成制度で助けられていたので申請の必要性を感じなかったというのもあります。
  • 小児慢性特定疾病の受給をしたため、必要としなかった。

申請するのはあつかましい?

  • 入院中に一部のお母様方から話を聞いたが申請する事はあつかましい…みたいに言われた方もあってやりにくかった。先生が良い顔しないとか…。

申請しなかった

【3a】申請しなかったのはなぜですか?

【2】で「申請しなかった」と回答した方(46名)/回答必須 この制度を知らなかった19 名 この制度を知っていたが、 該当しないと思った12 名 支給要件・所得制限に引っかかった8 名 役所で断られた4 名 病院側に診断書作成を断られた3 名

【2】で「申請しなかった」と回答した方(46名)/回答必須 この制度を知らなかった19 名 この制度を知っていたが、 該当しないと思った12 名 支給要件・所得制限に引っかかった8 名 役所で断られた4 名 病院側に診断書作成を断られた3 名

この制度を知らなかった

  • このアンケートが来なかったら知りませんでした。明日早速病院に聞いてみようと思います。
  • 病院や役所からの案内もなく、退院して2年ですが初めて知りました。
  • はじめてこの制度のことを知りました。
  • どのような身体の症状で、申請できるのか、知りませんでした。一時的でしたが、抗がん剤の様々な、副作用の症状がありました。これは、すべて、対象になるのでしょうか?

この制度を知っていたが、該当しないと思った

  • 制度があることは知っていたが、該当するかどうかわからず、日々の治療のことや生活にいっぱいいっぱいで詳しく調べなかった。病院からの案内などはなかった。あの時、きちんと調べていれば良かったと今更ながら思う。
  • 支給条件である「手帳をもたないが、障害・疾病等により日常生活に著しい困難がある場合」というのが分かりにくいと思っていました。

情報が行き届いていない

  • 知ったのが遅く、さかのぼっての申請ができなかった。やはり病院からの情報がなかったのは残念だった。
  • 知らない方もいるので、病院の担当者は、適切に知らせて欲しい。
  • 同じ病気の子でも、特別児童扶養手当の事を知らなくて申請していない子がいます。情報が行き届いていないと思いました。
  • 小児慢性特定疾病を申請したときに、教えてくれればよかったのに!と役所には伝えましたが、いろいろ言い訳されました。必要か申請するかどうかはこちらが決めることだから。情報を提供するのも仕事だと思うと伝えました。3年くらい前の話なので今は変わってるといいな。

【所得制限】長男は障がい児、三男は小児がんなのに毎回却下される

  • 我が家は三人の子供がいます。長男が重度心身障がい児、三男が神経芽腫になりました。所得制限にて長男も特別児童扶養手当は毎年申請はしますが通りません。三男の申請時、「もし子供が二人、特別児童扶養手当の対象になった場合、所得の限度額は上がるか?」と問合せましたが、そのような制度はないとの事でした。
    その為、我が家は受給できませんでした。三男の一年間の入院生活、実費の薬、セカンド・オピニオン費用に加え、入院中、長男が自宅で祖父母の手助けを借りながら負担軽減の為、ヘルパー利用、ショートステイなどの費用も加わり、とても負担が大きくなりました。我が家のようなケースはあまりないとは思いますが、複数の子供が特別児童扶養手当の対象となった場合の制度の見直しは必要なのではないか…と感じました。

【所得制限】子どもの入院に伴い仕事を辞めて収入減

  • 主人の収入が僅かに上限を超えていたために、申請してももらえませんでした。娘の入院中は私の収入がなくなったので家庭としての収入は減ってしまったのに、手当も出ず交通費や雑費など出費ばかりで大変でした。前年度の収入で見るようなので、入院して収入が減った場合はその間どうするのかと疑問に思いました。
  • 子どもが病気で入院したとき、もともと医療関係者だった私は、この制度のことは知っていました。しかし、所得制限の関係で受けられませんでした。子どもの入院にともない、退職せざるをえない状況になり、収入が激減することは目に見えていましたが、結局前年度の収入が審査対象となるため、受給できなかったのは残念でした。
  • 子どもの病気が発覚してから、仕事を辞めなきゃいけなくなりました。シングルマザーで他に子どもが何人かいるので、本当に有難い制度です。

【所得制限】所得の計算と申請のタイミング

  • 入院、治療中にこの制度は知りましたが、所得の関係で対象外でした。そして、退院後すっかり忘れていた頃にお友達から再度この制度のことを聞き、調べると今回は所得制限に引っかからないということがわかりました。ただ、すっかり忘れていたので退院からかなり経っていて病状も安定して落ち着いていました。
    所得制限を計算する年度が切り替わってすぐに申請していたら…その頃はまだ制限のある生活をしていたので通っていたかもしれない…という後悔があります。前年度の所得から計算されるので切り替わる時期を覚えておいて確認しないといけないなと思いました。こういう補助をしただける制度は誰も教えてくれないので、自分でしっかり把握しておかないといけないですね。
  • 所得制限が…治療年が基準なら調整できたのにと思いました。治療年は時間の制約もあり明らかに所得は制限内に減りました。基準年を治療の年にする、母子手当のように所得に応じて逓減する等していただけると助かったかも。
  • 子供が小さい場合は両親も若く所得限度額を超えない場合が多いが、学年が上がり両親の年齢が上がると役職もあり高所得となり申請が出来ない。所得があろうがなかろうが両親の所得に関係なく受給資格があっても良いのでは?と思った。小児慢性特定疾病の医療証も所得により限度額が違います。

病院で診断書を作成してもらえなかった

  • 3年前、子供が白血病になりネットで色々調べて特別児童扶養手当の存在を知りすぐに主人に役所へ出向いてもらい書類をとってきてもらいました。大学病院の受付に出すと、下りないからと書類すら受け取ってもらえませんでした。後日、主治医に会ったときにもお願いしようとすると通らないからと断られました。同じ病気なのに申請が下り、受給できる・できないは本当に納得できませんでした!
  • もう8年前になりますが、今でも申請できなかったあの頃のやり取りを忘れる事ができません。サイトでご相談もさせていただき、他の自治体では受給していらっしゃることも知りました。ですが、当時の主治医は頑として申請書は書かないと言い、また子どもも移植前の大切な時期でしたので 泣く泣く諦めました。忙しい小児科医の手を煩わせるのが原因だったのか、本当のところは今でもわかりません。あれから8年、自治体の対応はどう変わってきたのか、国としての対応は進んでいるのか、とても知りたいところです。
  • 長崎大学病院から九州大学病院に転院したとき、同室だったお母さんから教えていただきました。そのお母さんは既に前の病院にいた時に申請し、受給されていました。他県からで兄弟もおりましたので、金銭的に補助してくださるのは非常に有難いと喜んだのですが、九州大学病院では診断書を出せないと断られ申請することができませんでした
  • 申請時に医師に相談したが、そもそも『小児がんの子はあまり認定されない。通って3割。そもそも障害を持つ子のための制度だから。』と否定的でした。それでも申請したが、認定されず。入院からだいぶ時間も経っており、入院時より採血結果も良くなっていたので、なおさら認定に至らなかったと思う。同じ病気で特に障害を負っている様子もない同じような年頃の子(SNSで見かけた)は、他府県だけど認定されていて、自分の子供が認定されなかったことに納得がいかない。もっと早くに知りたかった。

役所で断られた

  • 治療中に一度窓口にいったのですが、当てはまらないと言われ、門前払いでした。何年か後に病院の先生に教えてもらい、今度は受給出来ました。役所の判断基準が変わったとしか思えません。ただし、5、6年で18才にもならずに打ち切られました。いろんな基準や判断は、我々にはわからないことが多く、通院しながらの身にはしんどかったです。
  • 小児慢性疾患の手続きの後に役所に行きました。役所の方も病名を確認して、色々調べたのですが対象ではないですと言われました。
  • 当てはまらないと窓口で言われた。甲状腺全摘肺転移でした。アイソトープ治療は8回。他のガンより症状が軽いだけ。今までの生活には戻れない。悔しい。
  • 入院してすぐ制度を知ったので、即手続きをしました。役所が制度を知らなかったけど病院スタッフからその事を聞いていたので、ひるまず手続きをしました。闘病にあたり退職したので、1級認定され、ありがたかったです。

これから申請する・申請した

【3】この手当を最初に教えてくれたのはどなたですか?

【3】この手当を最初に教えてくれたのはどなたですか?【2】で「申請した」「これから手続きに行く予定」と回答した方(62名)/回答必須 病院スタッフ29 名 SNS・インターネットの情報13 名 同じ病院に入院・通院している方10 名 役所・福祉事務所・保健所5 名 その他5 名 ・小児がん患者家族の会・親の会などの団体・第一子が先天性の疾患がありすでに受給しているので元々この制度を知っていた・家族や親族 ・自主的に ・友人

【3】この手当を最初に教えてくれたのはどなたですか?【2】で「申請した」「これから手続きに行く予定」と回答した方(62名)/回答必須 病院スタッフ29 名 SNS・インターネットの情報13 名 同じ病院に入院・通院している方10 名 役所・福祉事務所・保健所5 名 その他5 名 ・小児がん患者家族の会・親の会などの団体・第一子が先天性の疾患がありすでに受給しているので元々この制度を知っていた・家族や親族 ・自主的に ・友人

ネットで闘病仲間から情報をもらった

  • 特別児童扶養手当のことは病院では教えて頂くことはなく、闘病ブログから知りました。認定されずともダメ元で、と役所に行き話を聞き、書いていただく書類を主治医に渡すとすんなり書いてもらえました。その後申請。退院後でしたが外来治療中だったからかすんなり1級の認定でした。当時は胃管やCVをしており、また通院に交通費もかかっていたので、正直とても助かりました。
  • 役所、医師、患者家族それぞれ、この手当に対する理解がまちまちであるように思う。私もインターネットがなければ知り得なかったと思うので、病院もしくは役所で、小児慢性特定疾病の助成制度を申請するときにいっしょに案内してほしい。年齢や身体状態によると思うが、「受給してはいけないもの」ではないので、積極的に話をしてほしいと思う。

同じ病棟で入院している親同士の情報

  • 病院のソーシャルワーカーから話はなく、同室のお母さんから教わった。入院からかなり時間が経っており、最初から病院で教えてくれればと思った。
  • 病院関係の方からは、この手当てについて説明はありませんでした。たまたま知り合いが同じ病棟に子どもが入院していたので、詳しく教えて貰えました
  • 同じく治療中の子のママさんから教えてもらうまで この制度は知りませんでした。調べてみると支給条件の年収で無理だとわかり申請はしませんでしたが、知らない人も多いと思います。
  • 子どもが入院中に同じ病気の子のお母さんにこういう制度があるのを教えてもらった。それまで全く知らなかった。

病院で勧められた

  • 治療入院1回目の初日位に血液腫瘍内科の主治医が、「手当などの制度の説明させてもらいますね」と、病院のソーシャルワーカー?に連絡を取ってくれて、ソーシャルワーカーさんが病室まで来てくれて詳しく説明してくれました。 確か、退院するまでに診断書に必要な書類を区役所から郵送してもらい、主治医に診断書を書いてもらったと記憶があります。ですので、最短で申請でき早めに認定されました。ソーシャルワーカーさんと話すまでに自分でも調べて知ってはいましたが、病院の方から動いて下さって病院には感謝しています。でも、同じ病気でも病院が違えば、この手当を知らない方も居て、ビックリしたのと同時に治療以外の面でも病院によって格差があるのだなと思いました。全ての病院でこの手当について説明があって欲しいと思います。
  • 病院のソーシャルワーカーさんに教えていただき、自治体によっては申請出来ないって言われるかもしれませんが、申請だけはしてくださいとすすめられ申請しました。自治体の職員にも「手帳がないと認められるかわかりません」的なことを言われましたが、申請しました。結果は一級で認定されました。維持療法が終了するタイミングでの更新の手続きの際に次回は二級になるかも!?との説明書きがありました。
  • 入院してまもなくソーシャルワーカーの方が、直ぐに説明に来てくださいました。訳がわからない状態の中で、手順通りにすればよかったので、後から思うと本当に助かりました。
  • 兵庫県立こども病院では専門の職員から助成・補助金などの手続きについて説明があった。同じ病気でも他の自治体では認定されていない方や、級が違う方がいた。

申請した

【4】いつ頃申請されましたか?

【4】いつ頃申請されましたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【2】で「申請した」と回答した方(61名)/回答必須入院して3か月以内33 名/入院して4か月~退院日前日まで12 名/退院後(外来治療中)6名/退院後(外来治療なし。経過観察中)5 名/再発したとき	2 名/・覚えていない ・大量化学療法の時・病状が進行し失明してから

【4】いつ頃申請されましたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【2】で「申請した」と回答した方(61名)/回答必須入院して3か月以内33 名/入院して4か月~退院日前日まで12 名/退院後(外来治療中)6名/退院後(外来治療なし。経過観察中)5 名/再発したとき	2 名/・覚えていない ・大量化学療法の時・病状が進行し失明してから

障害が固定されないと無理。

  • こどもが1歳のとき、骨髄移植前に申請。3歳未満では、まず申請は通らないと窓口で門前払いにされそうになった。食い下がると「移植がうまくいかず症状固定だと申請可能かもしれない」と言われ、怒鳴ったら県に問い合わせし、申請できますとの回答がきた。担当者の対応に疑問が残った。
  • 退院後、車椅子がないと生活できなくなり、障害者手帳が取得できないか医師に相談。身体機能が著しく低下していたため二級を申請し取得。障害者手帳の申請のため診断書を持って市役所に行き、初めて特別児童扶養手当の制度を知る。他県に長期入院で金銭的にも苦しかったため、病院の事務職員に相談していたところ、後日、「治療後1年経過し障害が固定されないと認定されないから、受給できるか分からないけど」と特別児童扶養手当について説明を受ける。入院中からこの制度を使えることを知っていれば、心配事が少し減り精神的にも楽だったのにと思います。

治療と申請時期によって「軽度」と判断される

  • 小児脳幹部グリオーマの会、トルコキキョウの会で患児の親御さまにご意見いただいたものがありましたので投稿します。福岡県に在住のIさんの娘さんは、(申請した月以降から)「特別児童扶養手当」2級手当を支給されていました。
    しかし、同じ小児脳幹部グリオーマの病気なのに、同じ福岡県でも支給対象外の自治体があったり、主治医によっては診断書すら記入してもらえなかったりと、対応がまちまちでした。これは、制度が統一していない為、申請時期によって不公平が生じているからです。理由は、一時的に放射線治療の効果があった場合、身体の不自由な症状が軽快になるため、その時に申請をすると、障がいは軽度と判断されることがあり、障がい者認定を受けられない場合や等級が軽くなる場合があります。
    しかし、小児脳幹部グリオーマの場合は、一時的な放射線効果後、数か月でほとんどが再発(再燃)します。再発した場合、重度障害を負う訳ですが、その時点で申請をしても、障がい者認定に関しては、認定までに1ヵ月半から2ヵ月かかりますので、障がい者として受けられる助成制度の恩恵が受けられません。
    再発から亡くなるまでの期間は患者によりまちまちですが、そのほとんどが3ヵ月から半年で命を亡くしています。特別児童扶養手当と障害者認定は違う制度ですが、余命宣告された小児重症患者には、まったく恩恵を受けていない方がとても多いのが現状です。
  • 2回も役所と病院のソーシャルワーカーさんに、特別児童扶養手当の申請も出来るのではないか? と問い合わせたにも関わらず、肢体不自由が出るまではNOという返事でした。それは初期の放射線治療で肢体不自由が無くなったかのように見えるからでした。
    しかし本人は以前のようなバランス感覚が弱り、高いところを怖がるようになりました。また、発症から言われた余命は撤回されていない、命が危ないのに、様々な手当てを受ける事も、障害者として扱われることもない事に世間から見離された気持ちになりました。障害者マークが使えれば、病院の駐車場も近い場所に止められますから。死んでしまう子供には補助は無いのかと、当時は落胆しました。
    他県では認められた事を、子供が亡くなってから聞いた時には、悔しさで堪らなくなりました。相談先の人により、県役人により、対応が違うのは本当におかしな話です、手続きが全国統一になりますよう願います。申請の提出すら認められなかった我々の悔しい想いが、今後の誰かの救いになりますように願います。

【5】申請手続きは円滑にできましたか?

特別児童扶養手当の申請手続きは円滑に進みましたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【2】で「申請した」と回答した方(61名)/ 回答必須 / 複数回答可/円滑にできた42名/申請に必要な書類等を揃えるのに時間がかかった10 名/手続きに行く時間がとれなかった7名/役所の担当者がこの手続きを知らなかった7名/役所へ行ったが申請を却下された2名/役所へ行ったが必要な書類等を忘れて出直した	2名

特別児童扶養手当の申請手続きは円滑に進みましたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【2】で「申請した」と回答した方(61名)/ 回答必須 / 複数回答可/円滑にできた42名/申請に必要な書類等を揃えるのに時間がかかった10 名/手続きに行く時間がとれなかった7名/役所の担当者がこの手続きを知らなかった7名/役所へ行ったが申請を却下された2名/役所へ行ったが必要な書類等を忘れて出直した	2名

【6】申請後は認定されましたか?

【6】申請後は認定されましたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【2】で「申請した」と回答した方(61名)/回答必須/認定された	52 名/認定されなかった。不服申し立てはしなかった	8 名/却下されたので不服申し立てをしたところ認定された 1 名

【6】申請後は認定されましたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【2】で「申請した」と回答した方(61名)/回答必須/認定された	52 名/認定されなかった。不服申し立てはしなかった	8 名/却下されたので不服申し立てをしたところ認定された 1 名

市町村によって認定基準が違う!

  • 退院後、外来での検査のみになったら特別児童扶養手当の更新ができなくなりました。医師は私に「更新は通らないよ」と。病院のそういった担当の方に何故なのか?と聞くも『うちの市は審査が通りにくい。各市区町村によってそれは統一基準ではない』といわれました。
    我が家は、治療は前の転勤地、退院後9ヶ月後に今の県に転勤で来た為そのような説明になったのだと思います。全国統一基準ではない事に驚きました。まだ寛解して2年とかだったので、完治する病気じゃないのに…と。急にあなたのお子さんはもう健康で元気でしょ!と言われた感じがして、日々不安と戦っている私達の心情と乖離している事に、正直哀しい気持ちになりました。しかし、そもそもその制度がある事を知らなかった、退院したらもう手続きができないと言われた、など他の方から聞くと、制度の認知度や審査について刷新して欲しいと思いました。
  • 市町村により対応が違うことを事前に聞いていて、過去に住んでいる市で認定された子はいないと聞いていたので、却下されても、やっぱりな…で終わった。入院中のため不服申し立てする時間もないので、すんなり諦めました。
  • 住んでいる自治体によって差があり、障害と認められなくても通院は続き、本人や家族には何かしらの支障は生じているのに申請が通らない。訴えても、訴えても理解してもらえない。近隣自治体では、同じ病気でも有無を言わさず、申請を通してもらってる人もいて、怒りを覚えました。こんな理不尽なことがあっていいのか…もっと病気を知ってもらいたいし、もっともっと救えるいのち、救える親子がいるのに…自治体の冷たさを感じています。
  • 市によっては、手続きが難航するところもあるようです。幸い当方の市はスムーズに受け付けてくれました。

再提出して認定された!診断書の内容が薄かった!

  • 私の子供はリンパ腫を患ってます。‬‪初発(ステージ3)で特別児童扶養手当の申請をしたところ、受給できませんでした。‬‪どうしても納得できなかったので、県に問い合わせると診断書の内容が薄いとのことでしたので、再度細かく診断書を書いてもらい、再提出すると受給できました。‬再提出することによって3月程受給が遅くなりました。‬‬

認定された

【7】1級・2級どちらでしたか?

1級・2級どちらでしたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【6】で「認定された」と回答した方/(53名/回答必須/1級	24 名/2級27名/不明2名

1級・2級どちらでしたか?/特別児童扶養手当・アンケート/【6】で「認定された」と回答した方/(53名/回答必須/1級	24 名/2級27名/不明2名

申請時期と認定は関係あるの?

申請時期と認定は関係あるの?/特別児童扶養手当・アンケート

退院してから特別児童扶養手当の申請をした場合は、認定されないのでしょうか。申請時期と認定に関係はあるのか調べました。

今回のアンケートでは、退院後に申請をされた方(11名)の73%が認定されたという結果が出ましたので、退院しても認定される場合もあるようです。

申請手続きをされた方で、入院後3か月以内に特別児童扶養手当の申請手続きをした方が54%、そのうち88%が認定されました。たとえ認定されたとしても認定日以前の分は給付されませんので、手続きは早めに済ませたほうが良いでしょう。

【疾患別】 特別児童扶養手当の認定の有無と理由

【疾患別】 特別児童扶養手当の認定の有無と理由

更新手続き

年1回の更新も一苦労

  • 網膜芽細胞腫の申請時は乳児だった為、直ぐに認定された。治療終了後5年を過ぎ根治とされ認定を打ち切られた。その時の視力は右眼は義眼で、左目はまだバラツキがあり、視力基準のギリギリだったが認定されなかった。2次がん(部位:左側頭部)の時は、申請しても認定されなかった
    のちに、病状が悪化し失明。その時に申請を出し認定された。しかし、認定されたのは旅立つ3ヶ月前で、使いみちがなかった。必要な時に使えない給付金(4ヶ月/1回)に意味は無いと思う。難病に対しての給付金が少なすぎる。(病気で失明したから特別児童扶養手当の認定を受けた。がんを患っているから特別児童扶養手当の認定を貰ったわけではない)役所からの情報提供が少な過ぎて、全て自分で調べて一つ一つ役所に話を聞かないと答えてくれない。それを調べる時間や体力、精神力の無駄が非常に残念だと思う。
  • 初回申請時は2級であったが、再発後は1級に更新時に変更になった。その際は医師の診断書で自動的になったが、途中で再度申請していたら早くから1級になったのか?と疑問に思った。
  • 4歳の秋に(2016年@鳥取市)片眼性網膜芽細胞腫で申請しました。抗がん剤治療中は2級だったのですが、抗がん剤治療が終わり、局所治療になった途端に受理されなくなりました。自治体ごとに受理されたり、されなかったり…という話も聞きました。なんとか国で統一していただきたいなぁと思います。
  • 「特別児童扶養手当」は受給開始からずっと2級で、治療終了から3年間(合計約5年間)受給できた。「障害児福祉手当」も同時に申請して、自ら申請を取り下げる手続きを行うまでの3年ほど受給できた。

主治医に「更新は難しい」と言われて諦めた

  • 同じ病気でも、主治医の意見書の内容や市町村によって等級が変わっていました。また退院後は、主治医に特別児童扶養手当の更新は難しいと言われたので更新手続きをしませんでした
  • 病院のソーシャルワーカーからは何も言われず、役所では担当者が分からずたらい回しにあいましたが、手続きが始まってからはスムーズでした。退院後は主治医から出しても通らないと言われて出しませんでした。すると、更新しない場合も診断書を出すように通知が来ましたが、そのまま放置したら無事に失効しました。
  • 治療終了ごと2年が経ってから順調なこともあり…主治医に診断書に書くことがなくなったと言われ、手当を辞退することになりました。病院に行くことも減ったので問題ないですが、いろいろ基準がわからないです。
  • 2年目は貰えず。病院により申請基準が違う。意見書を書いてくれない

特別児童扶養手当に関する情報

「障害の状態」「症状が固定した状態」とは?

「小児脳幹部グリオーマ(DIPG)」シンポジウム実行委員長・「トルコキキョウの会」代表理事 高木伸幸 様より情報をいただきました。ありがとうございます。

特別児童扶養手当の認定要件について厚生労働省よりお答えいただきました。

(質問)

身体障害者手帳の障害認定については、「その障害が将来とも回復する可能性が極めて少ないものであれば足りるという趣旨であって、将来にわたって障害程度が不変のものに限られるものではない」と伺ったが、これは、特別児童扶養手当にも当てはまるのでしょうか?

(回答)

特別児童扶養手当の支給対象となる「障害の状態」とは、一定程度の障害があり、障害の原因となった傷病がなおった状態又は症状が固定した状態をいうものであり、「症状が固定した状態」には、症状が回復する可能性が少なくなった状態も含まれています。これについては、身体障害者手帳制度の障害認定の考え方と同様です。このため、回復する可能性が少なくなった小児がん患者については、基本的には、「症状が固定した状態」に該当すると考えています。

一方で、特別児童扶養手当の認定は、各都道府県・指定都市が委嘱している医師が、申請者から提出のあった認定診断書により判断を行い、その上で各都道府県知事・指定都市市長が認定を行う仕組みとなっています。また、障害の状態は、同じ疾患であっても、個々に異なることから、各都道府県・指定都市が判断した個別の事案に関し、厚生労働省が適正であるかどうかの判断をすることは困難であることをご理解いただきますようお願いいたします。

厚生労働省としては、都道府県・指定都市において、特別児童扶養手当の障害認定要領に基づく適切な認定が行われるよう全国会議の場等を通じて周知しています。

《参考》

特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令別表第3における障害の認定要領(抜粋)

2 障害の認定については、次によること。

(1)法第2条第1項にいう「障害の状態」とは、精神又は身体に令別表第3に該当する程度の障害があり、障害の原因となった傷病がなおった状態又は症状が固定した状態をいうものであること。

なお、「傷病がなおった」については、器質的欠損若しくは変形又は後遺症を残していても、医学的にその傷病がなおれば、そのときをもって「なおった」ものとし、「症状が固定した」については、症状が安定するか若しくは回復する可能性が少なくなったとき又は傷病にかかわりなく障害の状態が固定したときをいうものであり、慢性疾患等で障害の原因となった傷病がなおらないものについては、その症状が安静を必要とし、当面医療効果が少なくなったときをいうものであること。

身体障害認定における「永続する」障害の解釈について

2018年1月17日に厚生労働省から各自治体に宛て、急速に進行する疾病の方が適切な支援を速やかに受けられるよう、障害認定事務について配慮をお願いする旨の通知書が配布されました。

「小児脳幹部グリオーマ」シンポジウム開催実行委員会さんのホームページで、上記の通知書をダウンロードすることができます。障害者手帳申請時、特別児童扶養手当の申請にも利用可能です。

【厚生労働省通知書】身体障害認定における「永続する」障害の解釈について

小児脳幹部グリオーマのような症状が急速に進行する疾病による障害の認定については、障害の固定の確認を求められる等により身体障害者手帳の申請から交付まで数か月程度かかるようです。

高木伸幸 様より「実際に、この通知書持参で指定医や行政に見せ、認定がおりたケースも数件ございます。水戸黄門通知になれば幸いです。この通知は小児脳幹部グリオーマに限りませんので、要件に当てはまれば早急認定がおりる可能性が高まります」とメッセージをいただきました。皆様、ぜひご活用ください。

【特別児童扶養手当の法令】小児がんに関する部分を抜粋・解説

「手をつなごう。」管理人・「つながる輪」事務局の山﨑仁美(輝く子どもたち@はな)が個人で運営するサイトに、特別児童扶養手当に関する情報のまとめがございます。

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経験談・ご意見を募集!

小児がんコミュニティ「手をつなごう。」では、特別児童扶養手当の申請や認定等について経験談を募集しています。また、このアンケートをご覧になって感じたことやご意見、特別児童扶養手当に関する情報などもございましたら、気軽に投稿していただけると嬉しいです。

アンケート以外にも、この掲示板に投稿していただくのも歓迎です。
▼掲示板「特別児童扶養手当の申請・受給・不服申し立て手続きについて」
https://c-cancer.com/forum/topic/40348

御礼

アンケートにご協力いただきました皆様、患者家族会の皆様のおかげで、多くの声を集約することができ、お礼申し上げます。また、患者家族会の会員さんからいただいた経験談を取りまとめ、手続きに関する情報も一緒にお送りいただきました高木伸幸 様(「小児脳幹部グリオーマ(DIPG)」シンポジウム実行委員長・「トルコキキョウの会」代表理事)には、厚生労働省への問い合わせもしていただきました。ありがとうございました。

挿絵について
「イラストAC」Kipさんのイラストを使用(⇒イラスト一覧
アンケートに関するお問合せ先
小児がんコミュニティ 手をつなごう。
子どものがん経験者と家族の会 つながる輪

※本アンケートの自由記入欄に入力された内容は、略語・誤字脱字を修正し、複数の情報をいただいた場合は分割して掲載させていただきましたのでご了承ください。

アンケート集計結果・報告書は、下記よりダウンロード可能です。
特別児童扶養手当の申請・認定・受給状況(小児がんの場合)108名の回答と55名の経験談

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