アンケート集計結果「ネット社会にみる患者家族会へのニーズ」

【アンケート結果】ネット社会にみる小児がん患者家族会へのニーズ

アンケート概要

趣 旨 ・ 目 的
2018年10月9日(火)に小児がんコミュニティ「手をつなごう。」を公開し、2019年6月11日(火)に子どものがん経験者と家族の会「つながる輪」のWEBサイトを公開しました。公開日から10日間の訪問者総数は、「手をつなごう。」が 1,892 に対し、「つながる輪」は 444 。アクセス数だけでなく、ユーザー登録・会員登録にも大きな差が出ました。公開から10日間で登録者数は、「手をつなごう。」は 84名、「つながる輪」は 39名。
サイトを運営する人物は同じであるにも関わらずこれだけ差が開くのは、小児がん患者家族がコミュニティサイトと患者家族会それぞれに求めるものや入りやすさに違いがあるのではないかと考えました。小児がん患者家族会を運営する仲間からは、入会者数が減ってきたという話も聞いています。果たして、小児がん患者会は必要とされているのでしょうか。
そこで、インターネットを利用して誰とでも簡単に繋がることができるようになった時代に、小児がん患者家族会に求められるものは何かを調べることにしました。集計結果は「つながる輪」が運営する小児がんコミュニティ「手をつなごう。」にて掲載する他、今後の活動の参考資料として当会以外の小児がん患者家族会等に配布して活用させていただきます。
対 象 者
小児がん患児・経験者とその両親・きょうだい・親戚。天使の両親・きょうだい・親戚も含む。
調 査 方 法
Webサイト、SNS、メール等で調査協力を依頼し、オンライン上のアンケートフォーム(Googleフォーム)で回答してもらうインターネット調査を実施。
実 施 期 間
2019年7月7日(日)~7月19日(金) 13日間
有 効 回 答 数
137件
分 析 方 法
単純集計にて全体の傾向を把握した後、回答者の立場・疾患・現在の状況・入会の有無などの分析軸ごとにクロス集計を行った。
アンケート結果のサマリー
 回答者は、母親(83%)、固形腫瘍(63%)、治療終了後5年未満(42%)を占めました。
 SNSのアカウントを持っている方は全体の85%で、そのうち闘病記や治療中の写真を投稿して他の方と交流している方は55%で、闘病記の公開範囲は「すべて」または「一部は友達限定」が多く、自ら発信することによって同じ立場の方と積極的に交流している様子が伺えました。公開している闘病記は、お子さん(または本人)がかかっている病院の医療従事者や患者家族に読まれても抵抗ない方が87%で、その中でも治療終了後5年以上経過した方と天使の家族のすべての方は、読まれることに抵抗を感じていませんでした。
 回答者の約半数の方が小児がん患者家族会に入会した経験があり、患者家族会以外の小児がん支援団体で活動している方もいらっしゃいました。入会の目的は、経験者の話を聞きたい(73%)、生活に関する情報が欲しい(64%)、専門的な医療情報が欲しい(58%)。入会していない方の中には、「入会したいが勇気がない」「入会を検討中」と回答した方がそれぞれ10名ほどいらっしゃいますので、入会するメリットをわかりやすく提示したり、活動風景を発信したりすることで、入会につながる可能性があるのではないでしょうか。
 入会の有無に関わらず参加したい活動は、「経験者の話を聞きたい」「病気や治療などの専門的な情報が欲しい」と回答した方が多く、小児がん患者家族はインターネット上での交流よりFACE to FACEの交流、ピアサポートと医療情報を特に必要としていることがわかりました。
 掲示板を使ったオンラインでの交流に参加したいと回答したのは全体の20%前後と少なかったものの、小児がん患者家族会に入会していない方はオンラインでの交流を希望する方が多く、公開型掲示板に参加したいと答えた方は非公開型の2倍であり、過去の投稿を読んで様子を伺ってから参加できる公開型のほうが参加しやすいようでした。また、参加できる小児がん患者家族会がないからこそ、インターネット上で交流や情報を求める傾向にありました。
表記について
・ 小児がん経験者の会、親の会、患者会、家族会、きょうだいの会などの団体を総称して「患者家族会」と表記している箇所があります。
・ お子さんが亡くなっている場合は、「天使」と表現しています。
挿絵について
「イラストAC」猫島商会さんのイラストを使用(⇒プロフィール・イラスト一覧
アンケートに関するお問合せ先
子どものがん経験者と家族の会 つながる輪
小児がんコミュニティ 手をつなごう。

回答者について

【1】あなたについて教えてください

回答者の83%が小児がん経験者の母親
回答者:全員(137名)/回答:必須/1.小児がん患児・経験者(11名/8%)2.母親(114名/83%)3.父親(12名/9%)4.きょうだい(0名)5.親戚(0名)

【2】小児がん経験者ご本人の疾患の種類を教えてください

回答者の63%が脳腫瘍・神経芽腫・骨腫瘍などの「固形腫瘍」
回答者:全員(137名)/回答:必須、複数回答可/1.血液腫瘍(50名/36%)2.固形腫瘍(88名/64%)

【3】小児がん経験者ご本人の現在の状態について教えてください

回答者の42%が治療終了後5年未満
回答者:全員(137名)/回答:必須/1.入院治療中(14名/10%)2.外来治療中(13名/9%)3.治療終了後5年未満(57名/42%)4.治療終了後5年以上10年未満(11名/8%)5.治療終了後10年以上(23名/17%)6.天使(19名/14%)

SNSの利用状況

【4】あなたはSNSを利用して、闘病記や闘病中の写真などを投稿していますか?

*Facebook、Twitter、Instagram、アメブロやその他のブログ等のいずれか1つでも可

回答者の85%がSNSのアカウントがあり、そのうち闘病記を発信して他の方と交流している方は55%いた
回答者:全員(137名)/回答:必須、複数回答可1.アカウントがあり、闘病記・闘病中の写真等をすべて(またはほぼすべて)公開している(21名 /15%)2.アカウントがあり、闘病記・闘病中の写真等を公開しているが、一部閲覧者を限定している投稿もある(31名/23%)3.アカウントがあり、闘病記・闘病中の写真等を投稿しているが非公開で、すべて閲覧者を限定している(12名/9%)4.アカウントがあり、闘病記・闘病中の写真等を投稿しているが、閲覧できるのは自分だけである(1名/1%)5.アカウントはあるが、病気に関する投稿はしていない(51名/37%)6.アカウントはない(21名/15%)
天使の両親は治療中の方よりも公開範囲が広く、治療中と天使を比較すると、闘病記をすべて公開している方は2倍の差があった。天使の両親は子どもの頑張りや生きた証を残すため、また気持ちの整理をしながらSNSを利用しているのではないか。

【4a】あなたが公開している投稿は、あなた自身を知っている医療従事者・患者家族に読まれても構いませんか?

公開中の投稿を読まれることに抵抗を感じないと回答した方が87%で、読まれたくない投稿は友達限定で公開するなどしてSNSを利用している。
回答者:【4】で1. または 2.と回答した方(52名)/回答:必須/1.読まれても構わない(36名/69%)2.読まれたくない(7名/14%)3.特に意識していない・どちらでもよい(9名/17%)
治療終了後5年以上と天使の両親はすべての方が公開中の投稿を読まれることに抵抗を感じていませんでした。

会員登録の有無について

【5】現在あなた自身は、下記のいずれかの会の会員、または運営側の方ですか?

小児がん経験者の会、家族の会、院内患者会、疾患別患者会、きょうだいの会、子どもを亡くした親の会。
(がんの子どもを守る会は規模が大きいため対象外)

回答者:全員(137名)/回答:必須/1.はい(66名/48%)2.いいえ(71名/52%)

【6a-2】過去に下記のいずれかの会の会員、または運営側の方ですか?

小児がん経験者の会、家族の会、院内患者会、疾患別患者会、きょうだいの会、子どもを亡くした親の会。
(がんの子どもを守る会は規模が大きいため対象外)

回答者:【5】で2.と回答した方(71名)/回答:必須/1.はい(1名/1%)2.いいえ(70名/99%)

回答者の49%が、小児がん患者家族会への入会(会員・運営者)を経験している

【6a-1】入会していない理由を教えてください

小児がん患者家族会を探したことがある方は、入会していない方の39%を占めた。(病院内に親の会がない・参加できる会が近くにない・疾患別患者会がない)
回答者:【5】で2.と回答した方(71名)/回答:必須、複数回答可/1.入会を検討中(10名/14%)2.入会したいが勇気がない(11名/15%)3.病院内に親の会がない(19名/27%)4.該当する疾患別患者会がない(5名/7%)5.参加できる患者家族の会・経験者の会が近くにない(16名/23%)6.イベントは参加するが、普段の交流は必要ない(1名/1%)7.知りたい情報がない(1名/1%)8.病気関係で友だちが欲しいと思わない(0名)9.小児がん関連のイベントに関心がない(0名)10.子どもに病気の説明をしていない(5名/7%)11.入会する必要があるのかわからない(12名/17%)12.会費が必要だから(0名)13.役員になりたくない(0名)14.人間関係が難しい(7名/10%)15.興味がない(2名3%)16.その他(17名)

  • 小児がん限らず、お世話になった地域へ恩返しできる活動をしている。
  • NPO法人で活動している立場で、特定の会ではなくいろいろな会と関係性を持ちたいと思っているため。
  • がんの子どもを守る会の経験者の会。
  • 親は興味があるが、子供本人は病気を隠したがっている。
  • 本人(子ども)が小さかったころなので本人に病気の記憶がなく、本人は興味を持っていない。私(母親)は県内に該当する会があるのかもわからない。
  • 参加する時間がとれないから
  • 希少な疾病のため同じ疾病の人がいない。いたとしても、具体的な相互のメリットが分からない状態で入会することの良さは感じられない。
  • 国内にいない。
  • 病気になったばかりでまだよくわかりません。
  • 知らなかった。
  • 人間関係が煩わしい。
  • 現在自分が躁鬱病であり、当時の事を思い出すのが辛い。
  • とくに考えたことがない。身近に会員の方がいて誘われていたら入っていたとは思う。
  • 時間のやりくりが下手で、ネットで隙間時間に情報を検索するので精一杯。会などのイベントに参加することもなかなか難しい。
  • 0歳児(兄弟)育児中であまり時間の余裕がないため。
  • 育児で時間がなく、イベントに参加する余力がない。
  • 忙しい。

入会について

【6b-1】どちらの会に登録していますか?登録していましたか?

小児がん疾患別患者家族会に入会している方が45%、病院内にある患者家族会に入会している方が40%を占めた。
回答者:【5】で1.と回答した方と【6a-2】で1.と回答した方(67名)/回答:必須、複数回答可/1.病院内の患者家族の会・親の会(27名/40%)2.疾患別の患者家族会・親の会(30名/45%)3.病院や疾病を限定しない家族の会・親の会(10名/15%)4.小児がん経験者の会(11名/16%)5.きょうだいの会(1名/1%)6.子どもを亡くした親・家族の会(7名/10%)7.その他(若年性の会)(1名)

【6b-2】入会した目的を教えてください

小児がん経験者または家族の話を聞きたい(73%)、生活に関する情報が欲しい(64%)、専門的な医療情報hが欲しい(58%)
回答者:【5】で1.と回答した方と【6a-2】で1.と回答した方(67名)/回答:必須、複数回答可/1.病気や治療に関する専門的な知識や情報が欲しい(39名/58%)2.入院中・退院後の生活に関する情報が欲しい(43名/64%)3.経験者の話を聞きたい(49名/73%)4.友だち(知り合い)が欲しい(29名/43%)5.会が主催するイベントに参加したい(30名/45%)6.会員限定のコミュニティ(掲示板・SNS)に参加したい(14名/21%)7.会報誌を読みたい(4名/6%)8.特に目的はないが、誘われたから(1名/1%)9.その他(9名)

  • 共有したいから。
  • ピアサポーターとして。
  • 自分の経験が、お役にたてるのであればと思って。
  • 少しでも患児やそのご家族へのサポートをしたい。
  • 何か力になれることがあれば役に立ちたいから。
  • 入院している子どもに楽しいイベントを提供したいから。
  • 入院治療中の子供を応援するため。
  • 同じ疾患の子に会ったことがなかったから。
  • 医師も参加するので、話を聞いてみたかった。

患者家族会の活動について

【7】入会の有無関係なく、どのような活動に参加したいですか?

勉強会・講演会(67%)、家族参加型のイベント(63%)、日中に茶話会・ランチ会(40%)
回答者:参加したい活動がある方(129名)/回答:参加したいと思わない方は未入力OK、複数回答可/1.家族で楽しめる遊びを中心としたイベント(63名/49%)2.きょうだいと親のみが参加できるイベント(24名/19%)3.勉強会・講演会(86名/67%)4.公開型の掲示板(30名/23%)5.非公開方の掲示板(19名/15%)6.日中に茶話会・ランチ会(51名/40%)7.夜に懇親会(24名/19%)8.その他(8名)

  • チャリティーイベント。
  • 小児がん啓蒙活動、チャリティーバザー。
  • レモネードスタンドなどの一般向け啓発活動。
  • 未来を良くするために、具体的な目的とアクションを共有し、達成するために行動できる活動。
  • 各会のつながりができるような会。
  • ラインのグループ通話があったらいいなと思いました。オフ会感覚で。
  • 子供の病気により子供の活動範囲に制約を受けます。どのような場所でどうやって社会性を高める機会があったか、経験者さんに相談したいです。場面はランチでも懇親会でもいいです。
  • まだ活動するような余裕がないです。

父親は「勉強会・講演会」が75%あり、病気や治療に関する専門的な知識を求めている。母親は「イベント」51%「茶話会」40%を占め、子どもと一緒または子どもが不在の時間帯に行う活動に参加を希望している。小児がん経験者は自分自身で仲間との繋がりを求めており、「夜に懇親会」を希望する方が46%を占めた。
全体的にFACE to FACEの交流を希望する方が多く、自分の都合でいつでもどこからでも参加できる掲示板等インターネット上の交流を希望する方は少なかった。

掲示板への参加について

掲示板への参加希望者は、小児がん患者家族会に入会していない方のほうが多かった(61%)。
◆書き込み・閲覧できる人/公開型:誰でも/非公開型:メンバー限定◆参加するための登録/公開型:不要(サイトによってユーザー登録が必要)/非公開型:必要◆参加しやすさ/公開型:過去の投稿を読んで、集まる人達の雰囲気など見てから参加できる/非公開型:集まる人達の雰囲気などわからない状態で参加しなければならない◆Googleなど検索結果/公開型:インデックスされるので検索時にヒットする/非公開型:インデックスされないので検索時にヒットしない
小児がん患者家族会に入会していない方の60%あり、参加できる患者会がないからこそ インターネット上で 交流や情報を求める傾向にある。

今後のアンケート調査

今後もアンケート調査を行います。アンケート開始・集計結果公開のお知らせは、LINE@で配信していますので、ご協力いただける方は「手をつなごう。」を友達に追加していただけると嬉しいです。


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